歪んだ幸せを求める人たち

7月2日(水)
宮口幸治『歪んだ幸せを求める人たち』(新潮新書)読了。
「おばあちゃんを悲しませたくないので殺そうと思いました」。
非行少年の中には、時にとてつもない歪んだ考え方に基づいて行動してしまう者がいる。
しかし、そうした少年でも「幸せになりたい」という思いは共通している。
問題はその「幸せ」を求める方法が極めて歪んでいることであり、それは非行少年に限らないのだ。
彼らの戦慄のロジック、そしてその歪みから脱却する方法を、『ケーキの切れない非行少年たち』の作者で、立命館大学大学院人間科学研究科教授の宮口幸治が、豊富な臨床例と共に詳述する。
『ケーキを切れない非行少年たち』は、境界知能の少年たちに光を当てて、ベストセラーになった。
作者の宮口幸治氏は児童精神科医として法務省宮川医療少年院や女子少年院に勤務した経験から、非行少年の多くが境界知能であることを発見した。
しかし、本作は単なる人生論、幸せ論になっていて、読み応えがなかった。

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