それいけ!平安部
8月12日(火)
宮島未奈『それいけ!平安部』(小学館)読了。
菅原高校の入学式の日、1年5組の新入生・牧原栞は、同じクラスの平尾安以加に「平安の心」を学ぶ「平安部」を作りたいと誘われる。
平尾安以加は書道家・平尾鷲嶺の孫で達筆。
牧原栞は中学の時、「平安時代にモテた顔」といじった社会科教師に反論して以来、周囲にご意見番キャラと認識された。
部活動として認められるために5人以上の部員が必要なため、二人は部員集めを始める。
そして、集めた三人は、
大日向大貴は1年2組で中学時代はサッカー部、アルバイトをするため楽な部活を希望していた。
明石すみれは2年1組で百人一首部の幽霊部員だった。
光吉幸太郎は2年3組で超イケメン、今は物理部員だったが、安以加が平安部を作ると聞いて入部。
実は安以加の幼馴染で、小学生の頃は平尾書道教室に通っていた。
5人は毎週月曜の活動日に集まり、部として何をしていくか話し合う‥‥。
宮島未奈氏の本はこれが4冊目。
冒頭、入学式から始まり、途轍もなくオーソドックスな部活ものだなと呆れた。
新しい部を作るため、部員を集めるというのもオーソドックス。
事件らしい事件は何も起きない。
山もなければ谷もない。
なんとお気楽な小説だろうと思ったが、途中でハタと気付いた。
この読みやすさは何だ?
それはおそらく、イヤなことが何も起きないからだ。
登場人物が皆、気のいいヤツらで、好感が持てる。
イヤなヤツが一人も出てこないから、ますます読みやすい。
つまり、すべては宮島氏の策略なのだ。
思えば、『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』『婚活マエストロ』もそうだった。
どれも傑作ではないが、とても楽しく読める。
それが成瀬氏の本なのだ。
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