この世界に残されて

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9月12日(金)
バルナバーシュ・トート監督『この世界に残されて』(2019年)U-NEXTで鑑賞。

ナチス・ドイツによって約56万人ものユダヤ人が殺害されたと言われるハンガリー。
第二次世界大戦後の1948年、ホロコーストを生き延びたものの家族を喪った16歳のクララ(アビゲール・セーケ)は、42歳の寡黙な医師アルド(カーロイ・ハイデュク)と出会う。
クララは言葉を交わすうちに彼の心に自分と同じ欠落を感じ取り、父を慕うようにアルドに懐く。
同じくホロコーストの犠牲者であったアルドは、クララを保護することで人生を取り戻そうとする。
しかし、ソ連がハンガリーで権力を掌握すると、世間は彼らに対してスキャンダラスな誤解を抱くようになる。
また、二人の関係も、時の流れとともに移り変わっていく‥‥。

原題は『Akik maradtak』。
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品。
回想がないにもかかわらず、クララとアルドの、家族をホロコーストで失った悲しみ・痛みが切々と伝わってくる。
一種のラブストーリーだが、「恋愛」ではなく、「愛」の物語だと思う。
お薦めです。
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