浮遊霊ブラジル

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9月27日(土)
津村記久子『浮遊霊ブラジル』(文藝春秋)読了。

「私」こと三田は72歳の老人。
町内会で、アイルランドのアラン諸島に行く直前に亡くなってしまう。
が、アラン諸島への思いが強かったのか、成仏せずに霊としてこの世に残ってしまう。
何とか一人でアラン諸島へ行こうとするが、乗り物に乗れない。
ところが、生きている人に取り付くと、乗れることに気付き、次々と人を乗り換えて、アラン諸島を目指す‥‥。

津村記久子氏の本を読むのはこれが10冊目。
6つの短編を収録した短編集で、上記は表題作の『浮遊霊ブラジル』。
何ともバカバカしい話だが、「文学界」に掲載されたので、一応純文学らしい。
巻頭の『給水塔と亀』は第39回川端康成文学賞の受賞作で、16ページと短いが、いい作品だった。
シュールでユーモラスな小説が多く、とても楽しめた。
お薦めです。

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