本物の読書家
10月2日(木)
乗代雄介『本物の読書家』(講談社)読了。
大学で文学を専攻する「僕」は、78歳の大叔父が川端康成からの手紙を持っているという話を聞く。
その大叔父を、茨城県の老人ホームへ電車で連れていくことになる。
常磐線の列車に乗り込むと、見知らぬ関西弁の中年男が話しかけてきた。
中年男は自らを「本物の読書家」と名乗り、該博な知識を披露しながら、「僕」と大叔父が何者か解き明かそうする‥‥。
乗代雄介氏の本を読むのはこれが2冊目。
乗代氏の2作目で、中編2編、『本物の読書家』『未熟な同感者』を収録。
『本物の読書家』は、2018年、第40回野間文芸新人賞を受賞。
『皆のあらばしり』がおもしろかったので読んでみたが、これはダメだった。
『本物の読書家』に登場する関西弁の中年男は、『皆のあらばしり』に出てきた男とそっくりで、でも同一人物ではないようで、似たようなキャラクターを使い回すのはどうかと思った。
わかりにくい表現や抽象的な思考を展開する部分が多くて、読むのに時間がかかった。
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