よむよむかたる
12月3日(水)
朝倉かすみ『よむよむかたる』(文藝春秋)読了。
安田松生は28歳で、東京在住の作家だが、スランプで筆が止まっていた。
ある日、北海道小樽市にある古民家カフェ「喫茶シトロン」を営む叔母の美智留から、結婚して転居するから店を継がないかと誘われる。
その店では、月に一度、平均年齢85歳(最年長92歳、最年少78歳)の読書サークル「坂の途中で本を読む会」の会合が行われていた。
会合では、5人のメンバーが1人ずつ、課題本を音読し、解釈や感想を語り合う。
安田は転居してすぐに会合に参加し、名誉会員となる。
その日の会合はコロナ禍によって3年ぶりに開かれたものだった。
さらに、今年は会が発足して20年目のメモリアルイヤーだった。
安田は記念誌の発刊と公開読書会の企画立案を任せられる‥‥。
朝倉かすみ氏の本はこれが7冊目。
第172回直木賞候補作。
選評では林真理子氏のみが褒め、それ以外の審査員は皆さん批判していた。
林氏は老人へのまなざしの温かさを褒め、桐野夏生氏は「超高齢者の物語は、なぜか愛らしく描かれることにも違和感がある」と書いていた。
僕は桐野氏に賛成。
優しさに満ち溢れた小説だが、僕にはなじめなかった。
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